203mm/53 連装砲について:歴史と背景

中口径主砲

203mm/53 連装砲は、イタリアのアンサルド社によって1920年代後半に設計された53口径の大口径中口径砲で、主に重巡洋艦「ザラ級」に搭載されました。その特徴的なデザインと高い性能から、イタリア海軍の重巡洋艦運用において重要な役割を果たしました。

フィウメの前方砲、1935年
203 mm/53 イタリア艦砲 – Wikipediaより参照

開発の背景

この砲が設計された時代、各国の海軍はワシントン海軍軍縮条約に従い、10,000トン以下の排水量と最大8インチ(203mm)の主砲を持つ重巡洋艦の開発競争を繰り広げていました。この制約の中で、イタリアは防御力を重視しつつも強力な火力を提供する艦砲の開発を進め、結果として203mm/53連装砲が誕生しました。

技術的特徴

  • 高い射程性能 最大射程は約31kmと、当時の他国の巡洋艦砲と比べて優れた射程を持っていました。
  • 威力と精度のバランス 高初速による貫通力の向上と、当時の最新鋭の火器管制装置との連携による精度の高さが評価されました。
  • 設置形式 砲塔は非常に重厚で、防御力が高いのが特徴です。しかし、この構造のため、旋回速度や砲の角度調整速度がやや遅かったことが課題とされました。

運用と歴史

この砲はザラ級重巡洋艦(「ザラ」「フィウメ」「ゴリツィア」「ポーラ」)に搭載され、各艦は第二次世界大戦中に様々な戦闘で活躍しました。特に、マタパン岬沖海戦では、イギリス海軍との交戦でこの砲が実際に使用され、その射程と威力が示されました。

ただし、この砲は重量が非常に重く、設置された艦艇の運動性に影響を与えたことや、砲塔内の作業が制限されるなどの運用上の課題も指摘されています。

歴史的意義

203mm/53 連装砲は、イタリア海軍の戦術思想を反映した装備であり、その設計と運用の成功は後の艦砲開発にも影響を与えました。一方で、防御と火力の両立を追求する中で生じた課題も、現代の軍事史研究において注目されています。

203mm/53連装砲は特にザラ級重巡洋艦に搭載され、その実戦での運用は歴史的に注目されています。以下にその詳細をご紹介します:

主な戦い

  • マタパン岬沖海戦 1941年3月にイタリア海軍がイギリス海軍と交戦した際に、この砲が重要な役割を果たしました。ザラ級艦艇が使用した203mm/53砲は、その長射程と威力を活かし、イギリス艦隊への砲撃を試みました。しかし、イタリア艦の火力は戦術的な連携不足によって充分に発揮されず、結果としてイギリス側に大敗しました。この戦闘は、砲そのものの性能と、それを使いこなす戦術の重要性を示す例として歴史に刻まれています。

技術的成功と課題

203mm/53連装砲の高初速による装甲貫通力は評価される一方、砲塔の重量が艦の機動性に影響を及ぼし、近距離戦での機動力が重要な場面では課題となりました。また、旋回速度が遅いことで敵艦の素早い動きに対応しきれない場合もあったようです。このような戦場での運用経験から、設計や戦術面での課題が浮き彫りになり、後の改良につながっています。

艦これにおける再現

「艦これ」では、この砲の特性が装備ステータスに反映されています。例えば、命中率のペナルティは現実の運用上の課題を再現していると言えます。また、長射程の特性は、史実における射程の強みを活かす形でゲームバランスに組み込まれています。

以下に「203mm/53連装砲 」の艦これにおける基本スペックを表にしてみました。

項目詳細
火力+9
対空+1
命中-2
射程
装備可能艦種重巡洋艦、航空巡洋艦
入手方法Zara改、Pola改などの初期装備
改修可能可能

この装備は、射程「長」を持つ中口径主砲として特徴的ですが、命中値が-2である点に注意が必要です。装備する際には命中補正がある他の装備や艦とのバランスを考えると効果的です!また、改修を進めることで性能をさらに高めることができます。

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