SKC34 20.3cm連装砲の歴史と艦これスペック

中口径主砲

SK C/34は1930年代にドイツ海軍向けに設計された20.3cm(8インチ)連装砲です。 アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦に搭載された主砲で、防盾や砲塔構造に改良を重ねることで高い防御力と射程性能を両立しました。

1937年就役のヒッパーから採用され、プリンツ・オイゲンやブリュッヒャー級でも運用された実績があります。

1946年の原子爆弾実験直前のドイツ巡洋艦プリンツ・オイゲン 
German cruiser Prinz Eugen shortly before atomic test, 1946 [5425×4060] : r/WarshipPornより参照

SKC34 20.3cm連装砲の歴史的背景

SKC34 20.3cm連装砲(正式にはSK C/34)は、ドイツ海軍が1934年に設計を決定した8インチ級速射砲です。名称のSKは「Schnelladekanone(速射砲)」、Cは「Constructionsjahr(計画年)」を意味し、34は設計年を表しています。この砲は第二次世界大戦前夜の海軍力近代化を狙い、優れた射程と重量バランスを実現することを目指しました。

設計の経緯と技術的特徴

  • 砲身構造 単装砲身を2門一体化した連装タレット方式を採用し、従来の単装砲に比べて装填人員や射撃指揮の効率化を図りました。
  • 射程と火力 砲身長は約50口径(L/50)で、最大射程は約33,500m。初速は約870m/sに達し、20cm級としては世界屈指の性能を誇りました。
  • 防盾と防御 タレット前面には厚い防盾を備え、対弾道破片対策や気象耐性も向上。艦橋の一部と連携し、夜戦時の照明や測的装置を保護しました。
  • 装填機構 自動装填装置を導入し、最大発射速度は1分間に8~10発。高速・高精度を両立させています。

量産と搭載艦

  • アドミラル・ヒッパー級重巡洋艦 1937年就役の「アドミラル・ヒッパー」から採用され、同型艦群(プリンツ・オイゲン級やブリュッヒャー級)にも標準装備されました。
  • その他の艦級 建造中止となった「ザイドリッツ」、及び一部フランス沿岸砲に転用された例もあります。さらに日本海軍の巡洋艦設計にも影響を与えたとの指摘があります。
  • 生産数と配置 連装タレットは各艦に3基ずつ搭載されるのが標準で、量産はクルップ社を中心に行われました。1940年代初頭には60基近くが製造されたと推定されます。

実戦投入と戦歴

SKC34 20.3cm連装砲は大西洋・北極海の護衛戦、ノルウェー戦線、ビスマルク追撃戦などで艦砲戦の要を担いました。特に「プリンツ・オイゲン」はノルマンディー上陸作戦で連合軍艦隊と交戦し、高い命中精度を発揮しています。戦後も一部艦艇は原子爆弾実験の標的として使用され、その強靱さが評価されました。

戦後の評価と影響

戦後、SK C/34の設計思想は各国の8インチ速射砲に反映されました。アメリカ海軍の8インチ三連装砲Mk.16や英海軍のいくつかの主砲にも、装填効率やタレット防御設計の面で共通点が見られます。連装砲としての優位性は、冷戦期まで続く巡洋艦砲戦の基本構成を決定づけました。

艦これにおける基本性能

装備名火力命中対空射程
SKC34 20.3cm連装砲+10+3+2
  • 中距離かつ高火力・適度な命中を持つ
  • 対空値が付いているため航空戦艦や重巡の対空装備としても使える
  • 対空より命中優先ならこの主砲を使うと良いことになる

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